座学

2022/12/14 森林病害防除、育苗

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森林被害防除 病害・虫害

A.病害の診断
・病原(主因):植物の病気を引き起こす直接の原因
・環境(誘因):主因の働きを助ける要因
・樹木(素因):樹木自体が持つ病気にかかりやすい性質

・病徴:病気によって生ずる植物の形態的な変化(溝腐病)
・標徴:病原体の一部が体外に現れて肉眼的に認められるもの(キノコが生える)


B.病害の原因
菌類、細菌、ファイトプラズマ、ウイルス、ウイロイド、藻類、線虫、ダニ

C.カラマツの病
カラマツ先枯病:当年伸長の長枝のみに発生(初の法定伝染病)
カラマツ落葉病:幼年林から壮年林に発生。早期に落葉するため、成長を阻害する。
ならたけ病:根を侵食し地上部全体が枯死する。

D.害虫の定義
 人間に不利益・被害をもたらす昆虫類、ダニ類、ナメクジ・カタツムリ類、線虫など
 虫=昆虫ではない

E.虫害の診断
防除を考慮するうえで共通性がある
①食葉性害虫:葉っぱを食べる
②穿孔性害虫:樹木に潜る
③吸汁性害虫:樹幹、枝、葉などに寄生し、樹液を吸収する。すす病を併発することが多い。
④虫えい形成害虫:昆虫やダニに寄生され、細胞が肥大して奇形になったもの。(虫こぶ)
⑤種子、球果害虫:種子や球果に寄生して結実を阻害する
⑥食根性害虫:根を食う

F.虫害

樹木名前虫害種類被害
※枯死する=可能性あり
備考
カラマツカラマツカサアブラムシ軽微
カラマツカラマツツツミノガ枯死する場合がある
カラマツカラマツイトヒキハマキ衰弱や枯死はない
カラマツミスジツマキリエダシャク枯死する場合がある
二次被害で②で枯死する
色々マイマイガカラマツは衰弱
他は枯死する
約10年周期で発生。3年ほどで終わる。
幼虫期間が6年。1年目幼虫は毒持ち。
法定害虫
カラマツカラマツハラアカハバチ衰弱
被害面積が広大
同一林分を3~4年連続する
単枝葉のみ食べる。
長枝葉に産卵する
マツ類、スギオオスジコガネカラマツ:衰弱
他:枯死する
カラマツカラマツヤツバキクイムシ二次被害で風倒木が出やすくなる間伐木や風倒木を処理し、繁殖源を作らないこと
トドマツトドマツオオアブラムシ強度の寄生で枯死する
病気を誘発し枯死する
最近は積極的防除をしない
マツ類ツガカレハトド、アカエゾは枯死する春に幹にビニールを巻けば、根から葉に登れず防除できる
トドマツトドマツキクイムシ枯死するトドマツのキクイムシの被害の大部分がこれ。
マツ類シラフヨツボシヒゲナガカミキリあまり影響なしかな弱った木や伐倒木に穿孔
オオトラカミキリ枯死する幹を1周するように食害するため、1匹でも枯死する可能性がある
杉、檜、ヒバスギノアカネトラカミキリ価値低下変色や腐朽が生じる
枯れ枝から侵入するため、枝打ちを行う
シラカバ等ゴマダラカミキリ心材のウロ化根本などで穴をあけるため、腐朽菌が内部に入りやすくなる
マツノマダラカミキリ二次被害で枯死する北海道では見つかってない
線虫の運び屋。線虫による枯死。
カシノナガキクイムシミズナラ、コナラが
枯死する
北海道では一度見たが、再発見されていない
樹体内にナラ菌を繁殖させ、それを食べる
バラ科クビアカツヤカミキリ枯死する林業的には問題なし。
桜やポプラ等街路樹の問題
色々クスサンウダイカンバが枯れる

カラマツは枯死せず、他の針葉樹は枯死するのは、
落葉か常葉かの違い。落葉は葉っぱを再生するため枯死しづらい。

G.病虫獣害の防除法
・林業的防除:枝打ちとか。
・薬剤防除:薬を巻く。
・生物的防除:天敵を利用する。現在は外来生物の持ち込みはできない。
・物理的防除:手で取る。ビニール巻く。とか
・総合防除:上記の組み合わせ

H.食べないと損する昆虫食
1.カミキリムシの幼虫(テッポウムシ):照り焼き、寿司ネタ、生食(非推奨)
2.オオスズメバチの前蛹:しゃぶしゃぶ
3.クロスズメバチの幼虫・さなぎ:丼もの、肉まん、餃子の具
4.アブラゼミの幼虫:だしつゆで煮て燻製
5.モンクロシャチホコ:桜餅に混ぜる。ごはんに散らす
 桜の害虫。桜の味がする。ビールのつまみに最高。
 毛を焼いて湯がいてオリーブオイル炒めに塩をまぶす。

種苗技術 林木育種と苗木生産

A.林木育種
・どうやって遺伝的に優れたものをつくりだすか。
・林業種苗法の対象樹種:杉、檜、赤松、黒松、唐松、エゾマツ、トドマツ、琉球松
・林業用種苗の評価は難しい
 農家は数カ月で結果がわかる。林業は数十年後、覚えてない。
 農家は植え付け→収穫を自分で。林業は事業体が植え付け→収穫。
 そのため、意識的にも林木育種が難しい
・雪害・寒害などの産地特性も大事。
 種を取得する精英樹も難しい トドマツ
 雪が少ない地域のトドマツから育てた苗木を、多雪地帯に植えたら枯れた。

B.林木育種の方法
・集団選抜育種法 一番ポピュラー
 林分から優れた個体を選抜。
 →接ぎ木、挿し木で増殖
 →採取園を作る
 →次代検定林を作る。or 森林として植える。
  →検定林から出した種、苗で悪いのが育ったらその林から親を除く
  →いい樹を残していく
・交雑育種法(一代雑種育種法)
 例:グイマツ雑種f1
  親同士のいい形質を引き継ぐか交配して試してみる。
 クリーンラーチ:グイマツ雑種f1の中でより良いもの。
         グイマツ母さえ良ければ父はどうでもよかった。

※グイマツ雑種f1=母:グイマツ 父:カラマツ
          父:グイマツ 母:カラマツ とかも試してダメだった?
 対ネズミ、通直性が弱い。成長性は良かった。 
 苗木判断時に、グイマツ純粋と雑種は区別がつく。カラマツ純粋と雑種は区別がつかなかった。
  (現在と違い、母をすべて同一クローンとする。などが無い時代のため純粋と雑種ができた)
 区別つかないので雑種f1とか名前つけて売れなかった。
※クリーンラーチは、母グイマツが全てクローンのため、母グイマツ同士での結実が行えないため、
 ほぼ100%狙って交雑ができる。
 
・導入育種法
 外来種の導入。
 北海道でいうと本州のカラマツの導入が成功例。

C.種苗の配布区域
・種苗の配布には、地域ごとに制限が掛かっている
 例)杉:東北の杉の苗は北海道や関東、北陸に持っていってもいいが
     関東の杉の苗は東北に持って行ってはいけない。
 北海道の林木育種のトドマツ、アカエゾマツも道内で同じようなことをしている。
・材木育種対象以外の樹種(広葉樹が主)は、配布区域の制限はないが、
 遺伝子かく乱を防ぐために、一部広葉樹はガイドラインが設けられている。

D.樹種の歴史
・2万年前は、氷期。対馬海峡は大陸と繋がっていた。日本中がもっと寒かった。
 対馬海峡が空き、暖流が日本海に入り込む。
  →日本の西側が温かくなり、日本も暖かくなった。
   →2万年前と現在の気候が同じ場所は、特別な樹種が残った。
    それ以外は、新しい樹種が出てきた。
   ※ツンドラを維持できず、グイマツは北海道からいなくなった。
  亜寒帯針葉樹林:北海道大雪山付近
  温暖帯照葉樹林:鹿児島屋久島付近
・ブナ、スギは日本海側、太平洋側で違う
 Aに記載したトドマツと同じ感じ。
 スギ
  日本海側:葉っぱが閉じた形。雪が付きすぎないように?
  太平洋側:葉っぱが開く。
 ブナ
  日本海側:樹形が真っすぐ。橅と感じで書くから、材にはしづらいけど。
  太平洋側:枝分かれが大きい。

感想:
B.1960年ぐらいにはグイマツ雑種f1の良さが分かっていたため、採取園を作り始めた。
 ということは、樺太からグイマツを持ってきたのは日露戦争後、太平洋戦争前か。
 昔から頑張っていたんだなぁ。
B.確かに、純粋と雑種の区別がつかないものなんて欠陥品だとして売れないよね。

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