座学

2023/10/06 施業技術

座学

施業技術 天然林施業1

北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター(北大研究林) から講師をお招きしての講義です。

A.北大研究林
・面積650㎢
・天然林率 90%以上

B.天然林施業とは
・これが天然林施業だ。というものは無い
・複雑であり、不確かである
 →「順応的」な管理となる
・現状と課題:択伐施業
 ・長所
  森林の保全との両立が可能
  需要に適応した生産が可能
  長時間を掛けて大径木の生産が可能
 ・短所
  一般に作業の効率が劣る
  長期的に的確な管理が困難
  多くの場合森林の劣化を招いた(とくに天然更新が不良)

C.中川研究林 の照査法試験地
 2022/09/12-14 地域見学実習(道北) ⑧音威子府 ヤチダモ人工林/天然林、照査法試験林
・去年訪れている所で、113haを10の区域に分け、各区域を10年ごとに毎木調査、択伐を行っています。10年ごとに伐採と毎木調査を行うことにより、抜いた空間と10年の成長量を比較し、成長量が足りなければ、伐採量を減らす。成長量が多ければ、伐採量を増やす。 という調整をすることにより、継続的施業を行っている。
 ※上記照査法は、一般でできる方法ではない。
・30年間の変化
 10年ごとに択伐を行っていった結果、10,20年は蓄積量が回復していないが、30年目に回復した。
 伐採前と比較して、30年目に胸高直径が50cmを超える樹が増えた。小中径木は減少した。
  →後継木が少ない=長期的な持続可能性に不安
・択伐時の選木の観点
 ・お金になる樹を切る。
 ・周囲を伐採することで成長を促す。という考えを持って行うが…
  →細い木は成長量が上がるが、太い木は成長量が下がったり死亡率があがることがある
  →稚樹の密度が下がる。生存率が下がる。というのが分かった。

D.天然更新補助作業
・掻き起しにて、ササを伐根も含めて除去
 →人工林にてよい結果をだしている
 →先駆種であるカンバ類は生えてくる
  →が、カンバは低出材扱いが長かったため手入れされていない。40年で胸高直径10cmは使えない。
   →が、そこから更に成長させると、最近は使い道がある。
 →天然林には難しい
  ・樹冠下の掻き起しは、樹幹元を傷つけないように
  ・樹種ごとの虫・菌害、菌根菌などの生態的特性と複雑な関係性の理解が必要

E.多様な手段
・萌芽更新の森林
 →ミズナラの炭薪林が有名
・混交植栽人工林
 →針葉樹、広葉樹を混ぜることにより、病害虫や強風に対する抵抗性、生物多様性に寄与
  ただし、保育作業が大変
・保残伐施業
 芦別で実証実験中 ↓これのこと
  2023/10/02 森林環境科学

F.新しい情報について
・上記のように、伐ったら枯れる。とか新しい話もある
 →林業試験場や研究機関のHPや冊子を見よう。

施業技術 天然林施業2

東京大学 富良野演習林の林長による講義です。
2週間後に実際に東大演習林へ見学に行くため、その前の説明でもあります。
2022/09/10 サークル山部:セミナー? ④トークイベント で浮かんだ下記質問をするチャンス。
 ※「今は元気だけど10年後には落ちる。というのをどうやって選別するのか、知りたい。」
  →と思ったけど、授業中のCで分かった。
   15年後にダメになってる樹じゃなく、15年後の前年にダメそうな樹を判断してる

A.林分施業法
・1958年から60年以上一貫して継続
・単木択伐による施業
 回帰年:15年または20年
  ※固定標準地にて、5年毎の標準地調査を行い、年成長率 は行っている模様
 伐採率:蓄積の10~17%
  ※毎年1000haぐらいを実施
・天然林でも更新補助作業を行う
 地拵え、植え付け、下刈り。 併せて年90haぐらい
・多様で複雑な森林を持続的・順応的に管理するための方法
 ・樹木の密度や種類・大きさ、天然更新の良否に基づき林種に区分
 ・各林種の林分状況に応じて施業(伐採や造林など)を実行
・森林が持つ2つの機能を調和させ、持続的に発揮されるように管理
 ・再生可能資源利用の経済的機能
 ・森林生態系の環境保全機能
・林分施業法の実践を支えるのは
 ・森林生態系に関する科学知の蓄積
 ・森林管理の経験知を持つ演習林職員
 ・先進的な空間情報技術の活用

B.林分施業法の6原則
1.天然林を構成する各林分が、いずれも極相の一歩手前(前極相)の状態に早く達するよう施業によって誘導する。途中相にある林分は、前極相へと向かうように施業を行う。前極相に達した林分は、その状態が長く維持されるように施業する
2.天然林においては、生態系を強度カツ広く破壊するような施業をできるだけ避けねばならない
3.天然林は無数の異なる林分で構成されている。各々の林分の構造とその動きに応じて、総合機能がより発展するように適切な施業を行う
4.天然林を最高の総合機能を持つ高多層林へと誘導する。とくに、要綱を最初に受ける最上層の林木を、量的、質的生産能力の高いものに導く
5.遺伝的に形質の悪い樹木を収穫して淘汰する一方、形質の良い樹木は残存して、林分全体がより発展するように施業する
6.土地の生産力を維持して、緒害に対する抵抗性の高い健康な森林(針広混交複層林)の育成を目標とする

C.選木の方針
・病気や虫害、枯損などの被害木
・着葉量が少なく、樹勢が衰えた老齢過熟木
・クサレや曲がりなどが著しい形質不良木
・小中径木の成長を阻害する形質不良木
・密度調整を目的とした間伐的な伐採

D.北海道演習林の木材生産
・過去10年平均で9000万円ぐらい
・全体に点在するいいウダイカンバ2000本ぐらいは全て管理してる
 枯れて数年の赤味が増したころに収穫

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