北海道森林組合連合会 総務指導部 から講師をお招きしての授業です。
森林組合連合会とは、森林組合を会員として、各種情報提供、アンケートとりまとめ等の支援を行っています。
会計の役割と基本的なルール
会計は個人や企業の活動を認識し、貨幣額を測定、その結果を報告書に記録して関係者に伝達する。
A.管理会計と財務会計
・管理会計 内部の管理者のために、金銭や稼働率等の経済活動を測定し、結果を伝達するための会計
・財務会計 外部の利害関係者に報告するための会計。出資者、債務者、従業員、行政などへ
B.制度会計の種類
・会社法による会計 : 株式会社の会計は、会社法がより詳しく規制している
・金融商品取引法による会計
・税法による税務会計
5000円以下の食事代は経費。
※会社法による会計がベースとなる。森林組合も会社法がベース。
C.企業活動とは
| 資金調達 | 資金投下 | 営業活動の結果 |
| 出資300 借入200 | 現金100 商品400 | 現金100 商品120 売却分280 |
| 利益70 |
資金調達~営業活動の結果までを
財務諸表として代表的な下記で表す
貸借対照表、損益計算書。
残高試算表から両者が記載できる。
| 残高試算表 | |
| 現金100 売掛金350 商品120 費用280 | 借入金200 資本金300 収益350 |
| 貸借対照表 | |
| 現金100 売掛金350 商品120 | 借入金200 資本金300 利益70 |
| 損益計算書 | |
| 利益70 費用280 | 収益350 |
D.企業会計原則の一般原則 一部抜粋
・資本と利益の区別の原則
資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本余剰金と利益剰余金とを混同してはならない。
資本取引:出資等の純資産を増やす目的の取引
損益取引:企業活動によって獲得した取引
・明瞭性の原則
森林組合はここが大事。様式も定められている。
・重要性の原則
企業会計の目的とするところは、財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすること。
そのため、重要性の乏しいものは、本来の厳密な会計処理に寄らないで他の簡便な方法によることも…(後述)
E.企業会計原則
・損益計算書原則
・発生主義の原則:費用及び収益は、支出及び収入に基づいて計上し、発生した機関に正しく割り当てるように処理しなければならない。
現金主義会計では、売掛から支払いなどしていると、事業成果が正確に数字に反映されないため。
簿記の仕組みと仕訳
A.簿記(帳簿記入)の目的
企業の経済活動による財産(資本)の増減変化を記録、計算、整理して、営業活動の成果を明らかにする
→ 損益計算書と貸借対照表の作り方を学ぶ
B.森林組合の損益計算書
1.事業総利益:大まかな結果
2.事業利益:人件費や固定費等を抜いた結果
3.経常利益:事業外の費用結果
4.税引き前当期利益:特別利益、特別損失を含めた結果
5.当期剰余金:最終的な結果
C.仕訳のルール
会社が扱う価値:資産、負債、純資産、収益、費用
借方、貸方 にて、上記の価値の増減を記載する。
※記載する位置は、各価値ごとに増減を記載する位置は決まっている
D.仕訳の練習
現金に関する仕訳、預金に関する仕訳、当座預金、借入金、仕入、売上。などと記載練習
森林組合の会計
A.森林組合の組織・事業について
・森林組合法に基づいて存在している
協同組合的性格:森林所有者の経済的社会的地位の向上
公益的性格 :森林の保続培養及び森林生産力の増進
・森林組合は5つの必須事業、16の任意辞意業がある
5つの必須(必須事業の全部または一部を行う)
一 組合員のためにする森林の経営に関する指導
二 組合員の委託を受けて行う森林の施業又は経営
三 組合員の所有する森林の経営を目的とする信託の引受け
四 鳥獣害の防止、病害虫の防除その他組合員の森林の保護に関する事業
五 前各号の事業に附帯する事業
B.事業の仕訳
・森林組合法施行規則、森林組合財務処理基準令、決算関係様式集などに基づき行う
・部門別損益計算を原則とする
| 部門 | 事業 |
| 指導 | 指導 |
| 販売 | 販売 |
| 林産 | |
| 加工 | 加工 |
| 森林整備 | 森林整備 |
| 利用 | |
| 林地供給 | |
| 福利厚生 | |
| 購買 | |
| 金融 |
C.仕訳の練習
買取販売、受託販売、買取加工(期中、期末)、請負森林整備、受託森林整備
※インボイス制度のせいで森林整備のやり方を変える森林組合がある。
※所有者に代わって補助金を受け取るときは「預り金」という勘定科目を使う
※苗木について:苗木業者から購入と苗木を造林事業者への払い出し は、同価格で仕訳する。
D.勘定科目について
森林組合、森林組合連合会及び生産森林組合の決算関係書類様式 に勘定科目表がある。
一般の勘定科目とは異なる項目が多い。
補助金が多い事業だからかなぁ
森林組合の決算 森林組合法
A.決算までの流れ
通常総会は毎事業年度1回招集し、計算書類及び事業報告は総会の決議を経なければならない。
B.棚卸
在庫(繰り越し商品)の単価と総額の確定、売上原価の考え方
棚卸表の作成と棚卸資産を計算
C.固定資産の減価償却など
・定額法、定率法によって減価償却を行う。
物によっては、「旧定額法」「旧定率法」というものが残っていることも。
・リース取引での減価償却もある。
・引当金:債権の貸し倒れに備える貸倒引当金。従業員の退職金制度を積み立てる退職給付引当金。
D.森林組合の決算報告様式
林野庁長官通知により定められている。
・事業報告、貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案(損失処理案)、注記表、付属明細書、事業計画書


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